2025年大阪・関西万博
「いけばなの根源 池坊展-TRANSITION-」

Place: 大阪・関西万博2025 ギャラリーEAST
Period: 2025年4月13日–2025年4月20日


多重の「うつろい」、「変遷」が折り重なる「時空間に展開するいけばな展」
1400 年のいけばなの変遷と“花のいのち”をめぐる華道の歴史と哲学を、テクノロジーやデジタル表現を交えて五感で楽しむ「花展」
展覧会のコンセプトデザイン、空間デザインを担当致しました。


いのちが移ろういけばなの「時間芸術」と「空間芸術」という二つの側面をより豊かに引き出すために、従来の展示で不可欠とされてきた背面の〈壁〉をあえて取り払い、自然光や動的な照明、そして花そのものの変化が重なり合う、自由に回遊できる空間をつくりました。

来場者は空間を歩きながら、刻々と移ろう光と花の対話を自らの視点で見つめ、二度と同じにはならない瞬間としてのいけばなを体験します。

一方で、古典いけばなが大切にしてきた「正面性」という歴史的なルールにも敬意を払い、主要なビューポイントを設定、そのうえで多角的な鑑賞を促すレイアウトを設計し、伝統を踏まえながらも、より能動的に関わることのできる新しい「いけばな展覧会」を実現しています。


コラボレーションいけばなインスタレーション:『Cycle of Life』


enigma inc.とコラボレーションにより生まれたこのいけばなインスタレーションは、「生命の輪廻」という壮大な真理を巡る三部作です。3Dスキャンによる高精細なデジタル風景といけばなが響き合い、リアルとバーチャルの境界で命の営みが描かれます。

岩石:創発(Emergence)悠久の時を耐え、静寂をまとう岩。それは、すべての命の始まりを優しく、強く受け止める不動の「大地」の象徴です。

根系:進化(Evolution)暗い地中で命を支え、縦横無尽に広がる根。その静かな力強さは、目に見えぬところで繋がり、絶えず変容し続ける命の進化を語ります。

樹木:再生(Rebirth)倒木から新たな芽が吹き、命が繋がれていく「倒木更新」。季節を巡り、姿を変えながらも、決して絶えることのない再生の循環と、明日への希望がそこにあります。



Key Points

Concept / コンセプト

無数の移ろいと変容が重なり合い、空間と時間を拡張するいけばな展をつくる。

本展は、いけばなが持つ時間芸術と空間芸術という二つの性質を一つの没入型「体験としての展覧会」へと統合することを目指しました。

花のいのちの儚い美しさ、歴史の中で変化してきたいけばなの形式、ガラス空間に差し込む刻々と変わる自然光、そして動的変化を制御するテクノロジー。それらを重層的に重ね合わせることで、瞬間ごとに異なる、再現不可能な体験を創出します。


Experience Design / 体験設計

従来花展に不可欠とされてきた背面の「壁」をあえて取り除きました。
変化する自然光、動的演出照明、そして花そのものの生命的変化が交差する、自由回遊型の空間を創出しました。

歴史的に重視されてきた正面性というルールを尊重しつつも、複数方向からの観察を可能にするレイアウトとし、華道家様自身にも従来の枠を超える構成技法を促しました。

太陽光の軌道、視線の流れ、素材の質感を検証するために独自のUnreal Engineによるシミュレーターを開発。最適なレイアウト構成を設計しました。


Sustainability & Universal Design / サステナビリティとユニバーサルデザイン

従来のいけばな展では、展示ごとに仮設の木製壁や什器が制作され、会期後に廃棄されることが一般的でした。

本プロジェクトでは物理要素を最小化し、再利用可能な什器システムを導入しました。古典いけばなの台座はリサイクル可能な樹脂で3Dプリントされ、分解・輸送・再設置が容易な設計とすることで、資材使用量と廃棄物を大幅に削減しています。
すべての展示物は十分な間隙を確保し、床面の段差も排除することで、バリアフリーも実現しています。
高いレベルでの持続可能性とインクルーシブデザインを両立する展示環境となっています。


Project

Award

  • 日本空間デザイン賞 2025 : ヤングタレント賞
    K-Design Award 2025 : winner
    Asia Design Award 2025 : winner
    iF DESIGN AWARD 2026 : winner

credit

  • Organizer Ikenobo Headquarters
  • Creative Director / Art Director / Planner Shuhei Matsuyama
  • Technical Director / Engineer Koki Kaminoura
  • Project Director Aiko Kuno
  • Space Designer Kazuhiro Itagaki
  • Sound Designer Tetsuji Ohono
  • Designer (130) Hirotada Kato (Magna Recta)
  • Engineer (130) Kenta Iguchi (Magna Recta)
  • Promotion Director Satomi Tamai (BAUMX)
  • Research Director Tsubasa Kunori (BAUMX)
  • Researcher Tomoya Shimojo (BAUMX)
  • Promotion Planner Mako Fujimoto (BAUMX)
ALL WORK
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